7月9日、新宿養護学校(重症心身障害児のための放課後活動)の小中学生の放課後活動に当法人メンバーが参加して参りました。
参加者の方は重度重複障害があり車椅子などで生活している小中学生とその親御さんです。手足が不自由なだけでなく、重い障害があり、言葉を使ったコミュニケーションや1人で日常生活を送ることが困難な方々です。様々な理由で移動ひとつをとっても負担が多く、広く同世代の仲間と余暇活動を楽しんだり、趣味を持ったりすることが簡単ではありません。様々な放課後活動がある中、社交ダンスを楽しんでもらえる機会をいただきました。
プログラムは、まず、パソドブレとワルツの音楽を聴き比べてもらい、競技会やデモンストレーションの衣装を見て、まず、聴覚と視覚から刺激を導入しました。

参加者は車いすから身を乗り出してラテンとスタンダードの衣装の画像を食い入るように見つめていました。そこから、準備運動に、パソで好きな色のマントや布を選び、振り方練習。España Cañí (エスパニャ・カーニ)の曲にあわせ保護者の方に車椅子を押してもらい行進して、第一ハイライトでポーズ!布の触感の他、好きな色を選んで、身体を使って振るなど、思いもしなかったであろう出来事に、保護者もニコニコ。
楽しい気分が覚めないうちに、ドレスを着用したメンバーのワルツのデモンストレーションを見てもらいました。ドレスの実物を着て目の前で踊っているのを見ると、子ども達は拍手喝采。 その後、車椅子を保護者に操作してもらいながら、ワルツを体験してもらいました。私たち講師3名がスタンディングとして正面で子供たちの手をつないで、子どもたちが知っているかもしれないと用意した、「魔女の宅急便」の音楽でワルツを踊りました。

その後、「情熱大陸」の音楽でサンバのデモンストレーションを披露しました。子供たちはダンスを目の前で見ることも楽しかったようです。その直後にマラカスを見せて、好きなデザインのマラカスを選んでもらい、サンバのリズムの練習に突入。そのサンバのマラカスに合わせて、私たちがサンバのベーシックインプレスやホイスクを正面で踊り合わせました。

最後に、「この曲、聞いたことありますか?」という問いかけに、保護者が思わず「AKBだ!」と答えてしまうほど参加者も保護者の方もノリノリになった「恋するフォーチュンクッキー」でチャチャチャベーシックと、ニューヨークを導入して、音楽に合わせて踊りました。


ドレスを着たメンバーと踊りたいとジェスチャーで訴えかけた子や、赤い服を着ていた私の手を放したくなかった子がいて、会場を笑顔にしましたが、その横にいた女の子に、「今度はイケメンお兄さん先生連れてくるからね~!」と言うと、女の子は車いすでのけぞって「イケメン!」と両手をあげて笑った可愛い顔が印象的でした。
参加者全員が心から楽しめる機会を頂けて、とても長く感じた45分間でした。色々な方に社交ダンスを届け楽しんでもらう機会をこれからも大事にしていきたいです。